レコードプレーヤーの回転数をiPhoneでチェックする方法
レコードプレーヤーの回転数は、ストップウォッチと小さな紙片があれば確認でき、iPhoneを使うとわずかなずれも見つけやすくなります。ここでは、アプリを使わない方法からリアルタイムの表示まで、3つの方法をそれぞれの計算とあわせて紹介します。
私はStillspinを開発しています。Stillspinは2つ目と3つ目の方法で使うiPhoneアプリです。1つ目の方法も、計算もすべて、アプリがなくても使えます。
始める前に
ターンテーブルを数分間回してから、実際にレコードを聴く条件で確認してください。普段レコードをのせて再生するなら、のせたまま確認します。軽量なベルトドライブ式は、負荷がかかると挙動が変わることがあるためです。プラッターの外周付近かレコードのレーベルに、トーンアームが触れない位置で、小さな紙の目印を1つ貼ります。
手、髪、袖はプラッターに近づけないでください。ストロボの光では、回っていても止まって見えることがあります。
方法1:ストップウォッチで回転を数える
この方法にアプリは不要です。目印が決めた一点を通る瞬間にストップウォッチを押し、100回転数えて、同じ点を通る瞬間に止めます。そのうえで、計った時間を表と比べます。
| 回転数 | 100回転にかかる時間 |
|---|---|
| 33⅓ rpm | 3分0.0秒(180.0秒) |
| 45 rpm | 2分13.3秒(133.3秒) |
| 78 rpm | 1分16.9秒(76.9秒) |
実際の回転数(rpm)は、6,000 ÷ 時間(秒)で求められます。33⅓の計測で、始点と終点のどちらかが0.5秒ずれても、誤差は約0.3%です。つまりこの方法は、大きな回転数のずれは見つけられても、小さなずれは見つけられません。根気も必要で、数え間違えると最初からやり直しになります。
方法2:ストロボと目印1つ
点滅のたびに目印が1周して同じ位置に戻ると、目印は止まって見えます。目標の回転数に合わせた点滅の設定は、次の式で求めます。
点滅の周波数(Hz)=目印の数 × rpm ÷ 60
| 目印の数 | 33⅓ rpm | 45 rpm | 78 rpm |
|---|---|---|---|
| 1 | 0.556 Hz | 0.750 Hz | 1.300 Hz |
| 3 | 1.667 Hz | 2.250 Hz | 3.900 Hz |
目印を2つ以上使う場合は、等間隔に貼ります。部屋を暗くして、目印を照らす主な光が点滅光になるようにし、点滅のたびに目印がどこに見えるかを観察します。
- 同じ場所に止まって見えるなら、プラッターは目標に近い回転数です。
- 回転方向へ少しずつ進むなら、プラッターは速い状態です。
- 逆向きへ少しずつ戻るなら、プラッターは遅い状態です。
ずれを数値にするには、動いていく時間を計ります。目印が1つなら、見かけ上1周するのにかかる時間を数えます。複数あるなら、目印の間隔1つぶん進むのにかかる時間を数えます。
回転数の差(回転/秒)=見かけの回転数 ÷(目印の数 × 秒数)
たとえば、33⅓の設定で、目印1つが見かけ上1周するのに300秒かかったとします。これは1 ÷ 300回転/秒、つまり0.2 rpmです。33⅓ rpmに対する差は0.6%で、音程にすると約10セントにあたります。
Stillspinの無料部分は、iPhone背面のライトでこれを行います。33⅓、45、78のいずれかを選んで点滅の目標を設定し、ずれていく時間を計ると、アプリが差を計算します。計時が短すぎて目標との差を区別できないときは、「差を判別できません」と表示されます。目標は設定値であり、測定したプラッターの回転数ではありません。
方法3:カメラでリアルタイムに読み取る
速度調整のつまみを回しながら、ずれていく時間を計るのは面倒です。Stillspinの追加購入(1回限り・任意)では、調整中も測定を続けるターンテーブル画面が使えます。iPhoneはプラッターの上ではなく、ターンテーブルの横に置きます。カメラの枠を紙の目印に向け、露出を固定してください。目標の回転数を選ぶと、差がパーセントとセントで表示され、推移も確認できます。
表示が安定していても、正確だとは限りません。Stillspinの表示は、基準回転数計と比較したことがなく、計時にはiPhone自身の時計を使っています。方法どうしの結果が食い違う場合や、調整の結果が重要な場合は、独立した基準で確認してください。調整方法と回転数の許容範囲は、お使いの機種の取扱説明書で確認できます。
回転数の差は音程にするとどれくらいか
セントは半音の100分の1です。セント=1,200 × log₂(実際の回転数 ÷ 目標の回転数)
| 回転数の差 | 音程の差 |
|---|---|
| 0.1% | 1.7セント |
| 0.2% | 3.5セント |
| 0.5% | 8.6セント |
| 1% | 17.2セント |
| 2% | 34.3セント |
これらのチェックでわからないこと
3つの方法はいずれも、プラッターの回転数を目標値と比べるものです。ワウ・フラッター、ランブル、音質は、どの方法でも測定できません。偏心したレコードは、プラッターの回転数が合っていても、音がおかしく聞こえることがあります。平均の回転数は合っているのにレコードの音が揺れて聞こえる場合は、テストレコードとワウ・フラッター計を使うなど、別のテストが必要です。
無料のストロボを試す
Stillspinは、iOS 17以降のiPhoneで無料でダウンロードできます。ライトのストロボ、ターンテーブルの目標、ずれの計時は無料です。1回限りの追加購入で、カメラによるターンテーブル画面、光学式タコメーター、音による回転数の測定、比較が加わります。サブスクリプションはありません。
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